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2009年08月号 「高考」騒ぎ③

「高考」騒ぎという社会現象を前号まで「高考制度」に問題あるかどうかという角度で分析しましたが、「なぜそこまで騒ぐの」という疑問を解くのにはまだ不足でした。

今回は、もっと広く中国の「教育制度」及び人々の観念という角度で分析してみたいと思います。

もし、義務教育の小学校入学を教育の入口とすれば、大卒はその「出口」となります。

1995年までに、政府は大卒者全員を職場へ配属させました。教育制度の出口である就職は「分配制度」によって確保され、学生たちが就職の心配はほとんどありませんでした。もちろん、個人にとって「良い仕事」、「悪い仕事」の区別があるため、いろいろな不正事件も発生していましたが、「悪い仕事」であっても比較論であり、「高卒」「中卒」などとは比べものにならない良いものでした。このように、基本的に「大学入学=良い就職」になっていましたので、進学率がごく低かった当時の時代背景を考えれば、熾烈な入試競争を理解できるはずです。

しかし、大学規模と数の拡大によって、政府も大学生たちの就職保証が出来なくなりました。「教育制度」中の「分配制度」が取り消された結果、「大学入学=良い就職」の構造が崩れ、1996年から大学卒業生は自主的就職活動が求められています。就職確保という角度から考えれば、大学の「魅力」が減り、大学入試である「高考」の競争も適度まで下がるではないかと推測したかったですが、逆にその激しさは増す一方です。

就職確保がなくなったとはいえ、人材市場において、専門学校、技術学校の卒業生に比べれば、やはり大卒の給与が良いので、大学への入学希望者は増える一方です。それに、「文化大革命」時代の「知識無用」という極論から、今度「大学生=人材」という極論に傾きます。

「良い給与をもらうためにホワイトカラーにならなければならない。ホワイトカラーこそ【人材】であり、その【人材】になるために大卒でなければならない」という多くの中国人の考え方に皆さんが問題を感じませんか。

そのような考えによって、子供たちは自分の趣味を棄て、自分の特徴を無視し、とにかく「大学に入る」と親たちに強制され、本来たくさん「大学」以外の道でも「人材」になれる子供も「高考」に参加せざるを得なくなっています。

「人材」になる道は「大学」しかないという潮流によって、大学の枠が広げても参加者がより増えるので、「高考」の競争が和らげませんね。

ある香港系の経済学者が書いた本の中に、「製造大国である中国では、それほどホワイトカラーを育成するための大学生を増やす必要が本当にあるのか」という疑問を投げかけています。

注文はこなせないほどあり、設備も十分ありますが、その設備を操作できる専門技術労働者がなかなかいないという状況は時々工場で見られます。専門家たちはそのような現象を「人材の構造的不足」と分析しています。その「人材の構造的不足」は教育の構造的問題により引き起こされたと言われています。上記の説明により、教育の構造的問題は人々が「人材」に対して偏っている認識によって発生したと推測できます。

大学生という「頭脳」をばっかり育成しても、「手足」になるブルカラーがいなければ、豊な社会にならないでしょうね。

「高い所得=人材=ホワイトカラー=大学生」という人々の観念を修正させない限り、大学生の価値は過大評価されます。異常な熾烈的「高考」競争の根本的原因だと筆者は認識しています。

「高考制度」は大学入試制度として、中国教育制度の極々一部に過ぎませんので、「高考騒ぎ」も中国教育制度弊害の集中的爆発現象です。人々が大学に対する過信を変えるのに時間がかかりますが、社会の多元化と情報化が進むにつれ、認識変化は必ず起きると確信します。

しかし、現在中国の教育制度の問題は極めて深刻であり、中国の社会的発展を遅らせてしまう恐れがあるではないかと筆者が(過度?)心配しているのも事実です。

「高考騒ぎ」の延長線上で、「番外編」として、次回から中国の教育制度について考えてみたいと思います。

SBFニュース

7月25日に2009年7月例会が開催されました。「上海亦林商貿有限公司・蘇州可麗亜商貿有限公司」の川越一志さんが務め、「東レIFRC上海水処理研究所」を見学したあと、「中国の水事情―日系企業の中国における水研究」について勉強しました。近日中に、SBFホームページにその例会報告を掲載しますのでご覧ください。

8月の例会は8月6日に予定されています。幹事は「上海電音馬蘭士貿易有限公司」の桑原 淳さんと清水 淳さんが務めます。「中国での会社設立」を勉強した後、DENON FlagShip modelによるAVデモが行われます。

また、毎年定例となっているSBF親睦旅行は9月12、13日(一泊二日)に決定し、今年の目的地は「千島湖」になっています。会員以外のご参加も大歓迎です。案内書および参加ご希望の方は、私までご連絡ください。

他の活動内容も含め、7月にも下記SBFホームページに大量の内容追加と更新を行いましたので、「SBFからのお知らせ」コーナーを併せてご覧ください。

2003年4月に設立した主に中国(上海)でビジネス活動をする日本人・中国人によって構成される異業種交流会です。

SBF(上海ビジネスフォーラム)ホームページ

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