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2009年10月号 「高考」騒ぎ 番外編② GDPに貢献する「学区房」

中国の高いGDP成長率に疑問を持つ人はあまりいないと思いますが、そのGDP高成長を牽引している要因は「輸出」、「公共投資」と「内需(個人消費)」であるというのも定説になっています。

まだまだ続いている、金融危機による経済危機に置かれている輸出大国中国にとって、海外マーケットの縮小によって、今まで一番の牽引役である輸出拡大リスクを明確に自覚させられたでしょう。

そして、公共投資は一時的措置としては有効ですが、持続的発展へ貢献するのには限界があります。

世界最大の人口を持っている国として、今後の発展は個人消費が貢献されることは間違いありません。それを認識している中国政府は内需拡大に多大な力を入れています。しかし、現在の内需拡大はあまりにも「車」と「不動産」に偏りすぎているのも明白です。

バブル状態になっている中国の不動産業界は確かに金融危機によって一定の打撃を受けましたが、異常に速く回復していることは間違いありません。

中国不動産価格の上昇傾向は、疑問の余地なく続くと、不動産関係者及び大半の経済学者たちが予測しています。それら不動産価格上昇論の支持者たちは現状から何らかの既得利益を得ているので、当然のごとく現状が過熱状態であることを認めたくないのでしょう。

一方、筆者は一般勤労者たちがマンションを買えない状態を過熱と認めているものの、不動産価格の長期的上昇は避けられないとも予測しています。その主な理由は、短期利益を追求する海外の「Hot Money」または国内投資ではありません。それは短期的な不動産価格には大きく影響しますが、長期的な上昇理由は「鋼性需要」にあると思われます。

簡単に言うと、不動産購入者の目的は購入価格と売却価格の差額である利益取得であれば、そのニーズが「投資需要」と呼ばれ、その反対は「鋼性需要」です。つまり、不動産を買わなければならない人々のニーズです。

たとえば、結婚するために購入する不動産(中国では、マンションを買わなければ結婚できないのが一般的です)、あるいは子供が生まれて広い部屋に買い替える、または都市に出た労働者が定住のため不動産を購入するなどの状況が挙げられます。

中国は都市化が進み、今後数億の農民が都市に移住することが確実であり、その「鋼性需要」が長期的に不動産価格を押し上げる最大な原因だと考えられます。しかし、主に購入者自身が居住するという「鋼性需要」の中に一種類特別な「学区房」が存在しています。

日本と同様に中国も小学からの9年義務教育制度が実施されています。小中学校の入学試験は公式的に認められず、それぞれ対応する地域に戸籍を持っている住民の子供が無条件に入学できるのは「義務教育制度」の一部です。その小中学校の対応区域は「学区」であり、その区域にある不動産(居住)は「学区房」と呼ばれています。

各学校の歴史によって、ハードウェア、教師レベルを完全に統一させるのは客観的に考えれば無理です。どうしても「良い学校」と「悪い学校」が区別されます。

「高考」というのは大学入試制度とはいえ、その競争はすでに小学からスタートしていることは前号でも紹介しました。親にとって、「良い小学・中学」に入学できるのは「高考」に勝てる非常に重要な条件になります。

前述のように、「良い小中学校」に入学するためにその学校に対応した「戸籍」を取得しなければなりません。そして、その地域の「戸籍」を取得するために、その地域で「戸籍登録」ができる不動産を購入しなければなりません。それは「学区房」と呼ばれる不動産のニーズです。

親たちにとって、たとえばすでに住むマンションを持っていても(ほとんどの「学区房」購入者はすでに実際に居住するマンションをもっている)、「良い小中学校」に子供を入学させるために、それに対応する「学区房」を別に購入しなければなりません。一般的に自分が住むための「鋼性需要」と一味違いますが、「絶対的」に買わなければならないという意味でそのような「学区房」は「鋼性需要」に分類されるのは間違いありません。

「投資需要」は経済状況などの要素に大きく影響され、不動産マーケットの不確定要素になっていますが、「学区房」という「鋼性需要」は外部要素にあまり影響を受けず、中国教育制度の代表である「高考制度」に変革が起こされない限り、「教育熱心」の親たちは「学区房マーケット」を支えせざるを得ない状況が続きます。

「学区房」は不動産業界の「発展」にどれぐらいの貢献をしているのか、明確なデータがありませんが、毎年小中学校の入学申請時期前に、不動産屋の窓に張られる大量の「学区房」広告を見れば、その重要度を伺うことができます。

纏めると、親たちは、子供を「高考」で良い成績を取得させるために「良い小中学校」に入学させたいのです。「良い小中学校」に入学させるために、その学校の対応区域の戸籍を取得しなければなりません。その戸籍を取得するため、該当区域の「学区房」を購入しなければなりません。したがって、「学区房」は不動産の「鋼性需要」になります。

冒頭で述べたように、不動産は「内需」の重要な部分であり、「内需」は中国GDPに大きく貢献していることを考えれば、「学校房」は中国GDP成長に貢献しているということは理解できるでしょう。そして、「学区房」が存在している根本的の原因は「高考制度」という点からみれば、「高考」は間接的に中国GDPに貢献しているとも言えるでしょう。

しかし、中国義務教育制度の「親の負担なく、すべての子供が公平に教育を受けられる」という重要な主旨に、教育を受けるために不動産まで買わなければならず親の負担がより重くなっていることは、完全に違反しています。さらに、「学区房」は不動産価格を押し上げる要素になり、経済過熱を抑えようと一所懸命不動産価格を抑える宣伝している政府方針にも違反しています。

国の制度、政府の方針に違反している「学区房」が存在している理由は国の「高考制度」であるというのはなんとも皮肉な論理ですが、その現状を変えるのには、「高考制度」改革のほかなりません。

もちろん、不動産業界までも恩恵(既得利益)を及ぼす「高考制度」の改革は決して簡単ではありません。

しかし、中国の未来を創る教育制度の改革は絶対的であるということは中国政府も、強く意識し本気で取り組むことを信じたいものです。

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9月例会は、9月12日、13日の両日に千島湖へ年一回の親睦旅行として楽しく一泊旅行に行ってきました。結果はSBFホームページをご覧ください。

10月例会は、10月24日に実施され、「初田(上海)国際貿易有限公司」の総経理、藤井祥司さんが幹事を務め、消防の知識を勉強し、普段なかなか体験できない消火器放射実験まで行われました。その報告は近日中に下記のSBFホームページで掲載する予定です。

11月例会は、11月21日(土)に「上海誠鋭実業有限公司」の叶 家胤(筆者)が務める予定です。話題になっている中国の「移転価格税制」について、最も基礎的な内容を勉強する予定です。

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ちょっと早いですが、毎年恒例の年末会は、12月5日(土)に開催します。

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